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「AppLiftの視点」シリーズ:アドテク業界が待ち望む、ブロックチェーンという名の”ユートピア”

「AppLiftの視点」シリーズにようこそ。このシリーズでは、モバイル関連の様々なトピックに対するAppLiftの主要メンバーの視点をご紹介しています。今回はAppLiftのMDおよびCROであるMaor Sadraが業界注目のバズワード「ブロックチェーン」について考察します。彼は、ブロックチェーンが広告のバイイングや配信のプロセスにおける透明性を強制し、我々の業界にとって長期的にプラスの変化をもたらす可能性があるといっても大げさではない、と言います。彼がそう考える理由は何でしょうか?

本稿はExchangeWireの記事としてもご覧いただけます。

私は今、CEOととある賭けをしているところです。その賭けとは、Mobile World Congress 2018の開催中、私が業界注目の新たなバズワード「ブロックチェーン」を紹介するアドテク企業のブースを最低でも20か所見つけ写真を取ってくる、というものです。

アドテクが登場してからというもの、企業はいくつものバズワードを真っ先に利用してきました。人工知能や機械学習アルゴリズムもそうですし、ARやVRもまた然り。そして、それは基本的にこの10年のうちに誕生した技術革新なくしては語ることができません。

通常、こうした巷の噂と現実の間のギャップが大きすぎて、ひとたび現実にぶつかるとその衝撃も非常に大きなものとなります。しかし、ブロックチェーンは違います。その派手な宣伝文句はみな現実のものです。ブロックチェーンが広告のバイイングや配信のプロセスにおける透明性を強制し、我々の業界にとって長期的にプラスの変化をもたらす可能性があると主張するのは、決して誇張ではありません。

とあるアドテク企業は根深い業界の課題の解決にブロックチェーンをどう活用したか

モバイルアトリビューション分析を行なうKochava社は最近、KCHNGというエンドツーエンドのワークフローの促進を目的とした世界規模の分散型レッジャー(台帳)を発表しました。私は最初、これもまた企業が流行りのバズワードに飛びつくことになるのではないかと疑っていました。しかし、ホワイトペーパーを読み、その後すぐに電話で多くの質問をしてみて、この会社がどこに向かおうとしているかがわかりました。私が思うに、それは正しい方向です。

Kochava社のアプローチは、アドテクの最大の問題のいくつかについて単なる対処療法ではなく根本的な原因に取り組もうとしています。例えば、システム内のプレイヤーに対してパフォーマンスに関連するイベントの公平で標準化されたアトリビューションがないこと、広告在庫やキャンペーン、そして効率性の透明性を高めなければならないこと、などです。

XCHNGは、ブロックチェーンの分散型ネットワークのアプローチを用いて、検証のためにIOをデジタル化しようというものです。XCHNGは単一のプレイヤーがすべてを牛耳ることのないユートピアの構築を提案しており、そこでは実際の市場力学をもとに「市場(マーケット)」の力学が変化していきます。自分たちの利益に資するばかりの複占にもとづくものではありません。

このホワイトペーパーを読んで私は思いました、Kochava社はこの複占2社に対して物申しているのだと。彼らの主張はこうです。「あなた方がオープンマーケットの中で活動したくないのであれば、私たちはあなた方を必要としません。なぜなら、私たちはすでにXCHNGを介してKochava上であわせて15億以上のデバイスをターゲティングに使えるからです。私たちはすべての人が使えるレールを構築しています。あなた方の列車をこのレールに乗せるのも乗せないのもどうぞご自由に。いずれにしても、私たちはオープンで一極に集中することのない市場を構築していきます。」

ブロックチェーンには批判的な意見もあります。Kochava社のソリューションではインプレッションが必ずしもアセットにならないのが欠点だという人もいます。これには私も同意します。しかし実際は、インプレッションは何か形あるものを理解することにはなりません。というのも私たちは1と0の二進法の世界でビジネスをしているからです。よく間違って解釈されるのですが、広告主が求める透明性の欠如とは単にサイトリストのことではありません。透明性を求めるということは、例えば、Xというベンダーが契約上で50個の赤いリンゴをあなたに売ると合意し、彼らが(これら50個のりんご分の代金を請求しつつ)7個のアボガドを持ってくることが決してないことを知りたいということなのです。分散化されたレッジャーは、総意によって確認された一般的に拘束力のあるフレームワークの中に、このアセットを日々動くチェーン経由で組み込むことで、その取引を支援し、改善できる可能性があります。

複占2社は激しく抵抗

このアプローチは多くのアドテク企業を廃業に追い込みかねません。IOのデジタル化と検証のための分散型ネットワークの利用は多くの仲介者にとっては悪いことでしょう。どれだけ多くのアドテク企業が実際は見せかけだけの詐欺であるかには驚きます。そしてこれもまた信じられないことですが、多くのマーケッターがこのことがわかっていながら、個人的な利益のためにそれを無視しているのです。

アドテク業界をたばこ業界と比較してみましょう。悪徳メディア企業がたばこ会社です。従順なマーケターは、たばこの有害さを知らないふりをする医者のようなものです。その意味で、ブロックチェーンは私たちの業界規制になりうるのです。

反対しているのは小さなプレイヤーだけではありません。ブロックチェーンは大企業の怒りも買うでしょう。

セルフアトリビューションモデルでは、パブリッシャーはユーザーが彼らの広告を見ることができたかもしれないどんなコンバージョンも自分の手柄にできます。例えば、誰かが携帯電話でFacebookアプリを背後で起動している状態で何かのアプリをインストールすることもありえます。Facebookはそうすると、たとえその広告がユーザーに見られてもいないにも関わらず、インストールをその広告に帰属させます。ブロックチェーンでは、理論的にはすべてのネットワークパートナー、マーケター、仲介者などが使う契約を結び、それにもとづいてそのバリューチェーンにおいてどのくらいのアトリビューションがどのプレイヤーに属するかを決めることで、このセルフアトリビューションのやり方を排除することができます。ついに私たちはアトリビューションの基準を受け入れなければならなくなるのです。

もし、小さな詐欺的メディア企業から業界最大手まですべてのプレイヤーがこの分散型レッジャーによって規制されざるを得なくなる時がくれば、市場は全体としてよりよいものに進化していくでしょう。

アドテク業界におけるブロックチェーン技術は単なるバズワードではありません。その技術は私たちにとって最も差し迫った課題のいくつかを解決する可能性を秘めているのです。

Diksha is a Senior Content Marketing Manager at AppLift and is based out of our Bangalore office. When she is not behind her computer writing, you can find her binge watching her favorite movies, finding her happy place at a dance studio, and checking off places on her bucket list.
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